気管切開チューブトラブル
気管切開をしている患者がいるところで勤務している方は知っておくと何かあった時のための安心材料となる内容です。
実際に私が経験したトラブルを踏まえてお伝えしていきます。
トラブル1 抜けた

気切チューブが完全に抜去されている!
どう対処しますか??
完全に抜けた場合の対処法です。
①人を呼ぶ 救急カートとDr callを依頼
②自発呼吸があるなら気切孔から酸素送気
ないなら気切孔をガーゼで塞いでバッグバル
ブマスク換気
③医師到着後気切チューブ再挿入
⚠️絶対にやってはいけないのは看護師で入れようとすることです。
理由は気管に入らず皮下に迷入してしまう危険性があるから。
必ず医師の手技で入れてもらう必要があります。
再挿入の準備
物品
・同サイズと1サイズ上のカニューレorボーカ
レイド
・潤滑剤
・10or20シリンジ
・チューブを固定する紐
手順
①ボーカレイドであればカフのエアを全て抜く
②潤滑剤を先端につけて医師に渡す
③挿入後カフにエアを入れる
④紐を首につけ固定する
トラブル2 抜けかけている

人工呼吸器装着中の患者さんのボーカレイドが抜けかけていて換気が入らずアラームが鳴っている!
軽く押し込んでみましたが動かない!
どう対処しますか??
①人を呼ぶ 救急カートとDr callを依頼
②口にバッグバルブマスクをあて強制換気
③医師到着後気切チューブ抜去と再挿入
まず、抜けた時と同じく迷入してしまう危険性があるので押し込んではいけません。
すぐに人を呼んでDrcallと救急カートを依頼します。
気切孔はチューブが入っているので口にバッグバルブマスクをあて強制換気を行います。
完全に抜けた時と異なるのは抜けかけているチューブをまず抜去するところから始まります。
再挿入の準備と合わせて抜去する準備も行います。
抜去物品
・抜糸剪刀
・無鈎鑷子
・シリンジ
抜去手順
①ナートされていればハサミと鑷子で抜糸
②シリンジでカフを抜いて抜去
③再挿入の手順はトラブル1参照。
これは私の経験談です。
私の失敗は人を呼んだ後すぐにDrcallをするのにその場を離れてしまったことと、抜糸する物品を準備していたかったことです。反省。
トラブル3 SPO2低下
痰づまりを起こして顔が真っ赤に。
急いでサクションするけどSPO2は上がってこないし苦しそう。
どう対処しますか?
①人を呼ぶ 救急カートとDr callを依頼
②気切チューブにバッグバルブマスクを装着し強制換気開始
③原因精査
まず自分は離れずに人を呼び、救急カートとDrcallを依頼しましょう。
気切チューブにトラブルがないことを確認したら、気切チューブにバッグバルブマスクを装着して強制換気を行います。
とりあえずSpO2は維持できる状態になっている段階で医師到着。
気管支鏡におけるサクションを行ったあと、人工呼吸器サポートを開始しました。
この時の反省は強制換気どこから??と迷ってしまい急変対応を先輩任せにしてしまったことです。知識がないって恐ろしいですね。反省。
まとめ
気管切開の入っている患者は意識レベルの低い、体動の乏しい患者が多いのではないかと思います。
それでも自己抜去や体位交換の時にトラブルが起こる可能性はあります。ありました泣
トラブルは突然に。
反省を生かして次はトラブル対処できるようになるぞ〜!


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